第51回目の投稿です。わらしです。
よろしくお願いいたします。
“内観”とは?
▶︎自分の内面を自分で見る、内省する、そして今回は「自分の動きを見つめる」という意味。
よく、選手を指導する上で大事にしていることは何か、と問われることがあります。
その際に、真っ先に答えることが、「内観を大切にすること」と「自分の身体を自分でコントロールしきる感覚を養うこと」なんです。
内観を大切にする・身体操作に目を向ける
自分はどのようにラケットを振っているのか、あるいは自分の動き出しの膝の曲がり方や動き方はどうなっているのか。
このような、自身の動きを自分の中でどのように捉えているか、そして映像等でみる自分がその自分のイメージと合致しているか、をまずすり合わせたりします。
バドミントンは”オープンスキル”を要求される競技ですので、『自分がどう動くか』だけではなく、『自分がどう見えるか』もとても大切です。
※オープンスキル|対人競技での駆け引きを必要とする技術
そのオープンスキルを醸成する前提として重要とされる要素が、先の2点。
内観を通じて、自身のことを知る。
そして、内観と外観を一致させるような、自身の身体を細部までコントロールすること。
すると、意図的に自身の動きを相手に刷り込ませることができたり、自身の強みをより前面に押し出しながらラリーを展開できることにもつながります。
ただ、これらは画一的な技術ではなく。
一人一人のこれまでの経験や積み上げ、内観の鋭敏さや自動化している技術の総量によっても見つめる視点や深さが変わってきます。
コーチやトレーナーが一言いえば動きをパッと変えられる選手は、このような内観と身体操作の技術が長けている、ということでもありますね。
しかしながら、この内観をどの指導者もが潜り込んでディスカッションできるかというと、残念ながらそうではないのが現状だと思います。
選手の内観を覗くための学びを
選手の年代が上がっていくにつれ、関わる選手には「機能解剖学」の知識と自分の動きの関連をお伝えすることが多くなってきます。
それは、選手自身が自身の内観を通じて、自分の身体を操作できる下地を作れるように、ということからです。
競技は違えど、プロのアスリートたちとお話をしていると、自身の身体についての向き合い方が我々トレーナーのようにもなってきます。
つまり、「自分の身体だったら何をどうすれば調整できるかを知っている」という状態なんです。
指導者の対象レベル層にもよりますが、アスリートとしてより上を、より高みを指導する対象に要求するのであれば。
指導者自身が、選手の内観を覗くことができるための「知識」を持っておく、ということがドレスコードになってくるのだと思います。
競技レベルが高くなればなるほど、選手の指導者への学びの要求は高くなっています。
そこから目を背けず、選手の成長とともに学び続けられる指導者こそ、選手が必要とし、ともに歩んでいきたいと願うサポーターなのだろうと感じております。
今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
● 藁科 侑希(わらしな ゆうき)|わらし
【トレーナー×コーチ×研究者×教育者の現場視点で情報発信】
東京経済大学特任講師|東洋大・千葉大非常勤講師 (体育実技)
<オフィシャルサイト>
https://warashinayuki.studio.site/
【保有資格】
博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員