第50回目の投稿です。わらしです。
よろしくお願いいたします。
【”ライブ感”のある授業に価値が生まれる】
https://note.com/warashinayuki/n/n2a699a8bee5c
【「この授業をとってよかった」を引き出すために】
https://note.com/warashinayuki/n/n2abfc1aa655b
これらは私の現在の本務である、大学の授業を題材にしたものですが。
もちろん、スポーツ現場での指導についても、同様のことが言えるのだと思っています。
今日はそんなお話。
目次
- 同じメニューでも、取り組み方でまるで異なる成果となる
- 練習で必要な”運動イメージ”のすり合わせ
- コーチングに必要な選手への「もぐりこみ」
1. 同じメニューでも、取り組み方でまるで異なる成果となる
まず、指導の大前提として、「個人での指導」か「集団での指導」かでも大きくその中身が変わってきます。
私は現在パラリンピアンのパーソナルコーチとして契約をさせていただいておりますが、1対1の場合ですとメニューの内容もさることながら、この「ライブ感」が非常に重要となってきます。
というのも、パーソナルの指導ですとその場での応用や要望に応じたメニューの刷新がとても容易にできるために、選手の要望と”今”必要な取り組みのすり合わせをしながらシフトチェンジをすることが必要不可欠なんです。
また選手側からしたら、同一メニューで取り組んでいるにもかかわらず、練習が身になる人とそうでない人にわかれます。
これは、パーソナルでいう指導者側の応用や臨機応変な対応を、「自分自身でセルフコーチング」して、自分自身の積み上げとして効果を最大化できる取り組みができるかどうか、にかかってきます。
要するに、メニューをおこなっているその時間の”密度の濃さ”を自分自身でコントロールできるか、ということですね。
指導者と選手の割合が1:1に近づけば近づくほど、その密度の調整を双方向でやり取りすることが求められます。
2. 練習で必要な”運動イメージ”のすり合わせ
【運動イメージの伝え方】
https://note.com/warashinayuki/n/nfda00a8d1c4f
【オノマトペと指導】
https://note.com/warashinayuki/n/n621d5b032593
まず、上記の参照noteをご覧いただけると、選手に向けて指導者がどんな観点で動きのイメージづくりを構成するのか、という分類がわかります。
特に、視覚情報と触覚情報は、指導者側が意識して選手に刷り込ませるイメージづくりを必要とします。
また、次にトレースしやすいのは、「聴覚情報」です。
こちらは先日提示したトレーニングのバリエーションです↑
最初の”同時”着地は、音から入るととてもスムーズに運動を変化させられます。
キューイング(指導語)としては、「音がズレないように」という一言だけです。
そうすることで、選手らは自分自身の運動を音からセルフフィードバックして、良し悪しを判断し、運動を調整する術を身につけます。
このように、”運動イメージ”をいかにリアルタイムで作ることができるように誘導できるか、その場で個人に合わせて、キューイングの言葉を取捨選択するかが指導者に求められます。
3. コーチングに必要な選手への「もぐりこみ」
【学びを積み上げた人が強い】
https://note.com/warashinayuki/n/n2d24cf7cbc62
上記記事の小平選手のコーチ、結城先生の講義を聴いていた際に、随所にお二人から出てきた言葉が、「もぐりこみ」でした。
※もぐりこみ|相手の視点で物事を考えるように、相手に入り込むこと
【指導現場で教わった大切なこと】
https://note.com/warashinayuki/n/nfb812b6887ec
【きれいに止まる、意識はどこか】
https://note.com/warashinayuki/n/nfaffbcb512d8
これらの記事でも記載しましたが、どれだけ「選手目線で」考えられるか。
きれいに止まる、意識はどこか より
そして、このような考えができるか↓でリアルタイムなコーチングの質が決定づけられます。
このような動きを分解したり、選手の中の意識に対して目を向けると。
指導の中で、何をどう言葉がけすればいいのか。
あるいは、言葉にあえてしないほうがいいのか、ということが段々とわかってくることがあります。
もちろん全部が全部選手の考えや思考をトレースできるわけではありません。
しかしながら、指導者側がどれだけ選手に潜って、憑依するように選手が何を考え・意識しながら動きを行なっているのかを想像し続けることは、動きの改善はもとより、パフォーマンスの向上に対してとても大きな意味を持つんですね。
その中でこの「止まる」ことに対する意識がどれくらいあるのか。
主運動と呼ばれる、注目を集めるような動きではなく、影の動きとして自分の巧みさや技術を支えるような技術をどう磨いていくのか。
その磨き方を、実際に言葉をかわしながら、イメージを共有しながら、育んでいくことが望まれるのだと思います。
動きは連続的で、「止まる」動作をしたとしても、その前後には動きや意識が連なっています。
その動きと意識の連なりをどれだけ憑依して捉えることができ、選手とも共有ができるかで、指導の中の言葉も動きの修正も、その質が変わってくるのかな、と常々思っております。
今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
● 藁科 侑希(わらしな ゆうき)|わらし
【トレーナー×コーチ×研究者×教育者の現場視点で情報発信】
東京経済大学特任講師|東洋大・千葉大非常勤講師 (体育実技)
毎日投稿・配信中▼ |2022.9.20時点
◆ Twitter #わらし式トレーニング #わらトレ 783日目
◆ Twitter #マイキーチャレンジ #マイチャレ 774日目
<オフィシャルサイト>
https://warashinayuki.studio.site/
【保有資格】
博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員