こんにちは!郡司颯です。
様々なスポーツが進化を遂げ色々なスタイルが確立されていく中、スカッシュも過去に比べて大きくプレースタイルや試合の流れが変わってきました。
今回はおよそ15年前と比べてどのようにスカッシュは変わったのかを説明させていただきます。
まずこの15年間で一番変わったと言えるのがレフリーのデシジョンです。
それこそYouTubeなどにある動画を見て頂けるとわかるかと思いますが、15年前のデシジョンは現代のデシジョンに比べて圧倒的にレットが多いです。
今の基準で判断していくと何故それがレットに?となるシチュエーションが多々あります。逆にストロークやノーレットは今ほど多くはなく、特に進路妨害に対する判断は緩くレットになる可能性が非常に高かったと言えるでしょう。
また、レットが多くなるということは平均的に試合時間が長くなります。
そもそも試合時間を短くするためにハンドアウト制からラリーポイント制に変えたのに、レットが続いて試合時間が長くなってしまっては本末転倒もいいところです。
私がジュニアの頃見ていた試合の最長は、ラリーポイントにも関わらず2時間の試合をしていました。もちろん今でもPSAのトップの選手たちは1時間を超える試合を多くやっていますが、それでもひと昔に比べたらだいぶ少なくなったように思います。
少し話が逸れてしまいましたが、そういった背景もあり、徐々にストロークやノーレットの範囲が広がり、現在のようなデシジョンになりました。
もちろん今後も変わっていくでしょうから、レフリーも未だに進化し続けているということですね。
そして、そのレフリーのデシジョンの変遷によって増えたショットがショートストレートになります。
先述した通り、以前はボールとの距離がしっかりない限りレットになってしまうため、フロントコートへの攻撃はドロップショットかボーストが基本でした。
しかし、現在ももちろんその2つのショットは使われますが、特にコート中央からのチョイスとしてショートストレートが使われることが非常に多くなっています。
また、レットの範囲が狭くなったため、短く速いラリーの応酬が増え、全体的にラリーのスピードが以前より速くなりました。ストレートのラリーで様子を見ながら展開していくというラリーよりも、自分からショートストレートやクロスを使って相手を動かし、自分も動きながら点を取っていくというプレーが最近の主流になってきています。
特にジュニアのプレースタイルやスピードの変化は顕著で、15年前に比べて圧倒的にスピードが速くなりました。
これは球の速さだけではなく、動きの速さやスカッシュの展開の早さも上がり、ジュニアでもシニアの大会で活躍することのできる選手が国内外問わず出てきています。これらもぜひ動画をみて比べて頂けると面白いかと思います。
スカッシュは15年の間に、レフリーのデシジョン基準の変更や試合・ラリーの高速化という大きな変化が起こりました。他にも変わった点はいくつかありますが、今回はこの2つをメインにご紹介させていただきました。
最近のスカッシュばかり見て少し飽きてしまった方や、レフリーのデシジョンの違いなどに興味を持たれた方は是非とも2006年頃の試合を探していただき見て頂けたらと思います。
もちろん、2006年以前の試合も現在のスカッシュとは大きく違いますので様々な発見があるはずです。そして今後のスカッシュの進化にも注目し続けて頂けたらと思います。